こんにちは!病院で管理栄養士として働いている、そらです!
今回は研究がキャリアップに大切な3つの理由についてお話ししたいと思います。
研究と聞くと難しそうなイメージですよね。私も初めは自分に出来るわけないと思いましたが、いざ始めて見ると当初のイメージの1/10くらいの難しさでした。
研究というと↓のようなイメージが浮かびますが、全く違います。
大学や研究機関であれば設備が整っていますが、一般の病院や老健などでの研究はこういった研究ではありません。
もっと軽~い感じで、アンケート調査だけでも研究になります。
そんな研究が管理栄養士のキャリアアップに研究が必須だと感じた理由について述べていきたいと思います。
栄養士会の認定管理栄養士・認定栄養士をとるために必要
キャリアアップとして栄養士会の認定管理栄養士・認定栄養士を取りたいと思う方も多いのではないでしょうか。認定管理栄養士・認定栄養士になるには、栄養士会の勉強会への参加に加え、学会の参加が必要となります。
日本栄養士会では、生涯教育の所定の研修を修了し、専門的な知識・技術の実践レベルが必要かつ十分な水準に達していると認められる管理栄養士・栄養士に対して、下記の8つの分野において「認定管理栄養士」または「認定栄養士」として認定します。
出典:日本栄養士会
認定管理栄養士・認定栄養士は「臨床栄養 ・学校栄養 ・健康/スポーツ栄養 ・給食管理
・公衆栄養 ・地域栄養 ・福祉栄養(高齢者・障がい者) ・福祉栄養(児童)」の8分野があります。
この認定の試験を受ける際、提出書類の1つに「認定を申請する分野の「栄養の指導」に関する学会発表の記録(抄録・講演要旨のコピー)」が含まれています。
そのため、キャリアアップとして認定を取りたい場合には、研究を行い学会で発表することが必須となります。
また、認定管理栄養士・認定栄養士を今は取ろうと思っていなくても、将来的に管理栄養士を極めていこうと思うと必要になるかも知れません。
そのため、今からやり方を学んでおけば、そのときが来ても0からのスタートよりも進めやすくなります。
若いうちなら失敗しても糧として大きく成長することもできますし、学術誌などに研究した内容が掲載されれば、転職のときなどにも大きなプラスとなります。
研究と聞くと難しいと感じるかもしれませんが、実際にやっている人も少ないので、その1歩を踏み出すだけで周りとの差もつけることができます。
エビデンス(根拠)に基づいた考え方になる
研究をする上で大切なのは「エビデンス=根拠に基づいているか」という考え方です。この考え方を身に着けることで、正しい情報を選ぶ力を養うことができます。
職や健康に関する様々な情報があふれる現代においては、正しい情報を見つける技術はとても大切となります。管理栄養士として人を指導する立場であれば、なおさら正しい情報を選んで伝える必要があります。
研究では根拠に基づいた内容を選んで進めていくため、正しい情報を拾う力がつきます。
また、自身も研究を行うことで、「研究でこういう結果が出たから正しい」と書かれていても、本当に正しいのかをしっかりと考え見抜く力がつきます。
例えば、
「10人に1ヶ月間、Aという商品を飲んでもらったところ体重が平均2㎏減少した。Aという商品は体重を減らすのに効果があるといえる」というのを見たときに、
- 人数が少なすぎるため個人差が大きく出ている可能性がある。
- 体重減少は平均なので1人だけ体重が減って他の9人は増えている可能性もある。
- 対照となる群(別の商品を飲んでもらう)がいないのでプラセボ効果かも。
- Aを飲む以外に運動や食事制限をしている可能性がないとも言えない。
という点から、「効果があると言い切るには不十分」な研究となります。
また、「日常的にファーストフードを食べている人では軽犯罪をおこす確率が上がる」という研究結果でも、
- もともと家庭環境が悪く食事もファーストフードが多くなっている。
- 逆に、食生活に気をつけている家庭は教育に関しても気を使っている。
- つまり、ファーストフードが悪いのではなく家庭環境が根本的な原因となっている
という可能性もあるということです。このように研究結果に偏り(バイアス)がないかなどは、研究内容や研究のやり方を細かくしっかりと見なければ分かりません。
食や健康に関しても誤った情報や、根拠の薄い情報がかなり多く出ていると感じます。
その中から根拠のしっかりとした正しい情報を選び抜く力を身に着けることは人の指導にあたる管理栄養士としては必須であると思います。
研究をすることで情報を選ぶ力を身に着けることができ、自然とキャリアアップにも繋がると思います。
将来の財産となる
研究が自分に対しての財産となることはもちろんですが、それだけではなく管理栄養士・栄養士全体の財産となるのです。そして、これは自分に加え管理栄養士・栄養士業界のキャリアアップにも繋がります。
自身に対しては、研究を行うことで知識もつきますし、研究結果を発表したり論文にしたりすることで自身の財産が増えていきます。そして、おのずとキャリアアップにも繋がると思います。
それに加え管理栄養士・栄養士全体に対しても、研究で結果を出すことにより「管理栄養士ってこんなすごいことが出来るぞ、こんな役に立っているぞ」と根拠を持って広めることができます。
栄養指導で糖尿病が改善した、病棟で誤嚥を減らすことができたなど、良い成果を出している管理栄養士・栄養士さんはたくさんいると思います。ただ、せっかく成果を出しても表に出ないことが多いのが現状です。
多くの管理栄養士・栄養士が研究で良い成果を出し学会発表や論文にして表に出していくことが、管理栄養士全体の地位向上に繋がります。
そして、将来的には病棟専任栄養士の設置などもっと必要とされる場が増えることで、管理栄養士地位向上や給料の上昇に繋がるということです。
小さな研究でも積み重ねていくことで、大きな成果となって帰ってくるはずです。そのため、研究を行うことで自分のキャリアアップはもちろん、管理栄養士全体の財産となると思います。
まとめ:まずは研究への一歩を踏み出してみよう!
研究といっても大げさに考えず、アンケートをとった結果をまとめるだけとか、これを改善したらこうよくなった(ソフト食を導入したら誤嚥が減ったとか)というのをまとめるだけでも充分研究といえます。
小さなことでも全然良いです!やっていくうちに身に付いていくので、とりあえず始めてみることが大事!
まずは研究への一歩踏み出してみましょう。
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