【管理栄養士執筆】毎日納豆を食べると美肌に効果あり?5つの成分とその理由

納豆はお肌に良い食品の一つとして知られており、美肌に効果的な成分がたくさん含まれています。 この記事では、お肌に効果的な納豆の成分5つとその理由について、論文や厚生労働省など根拠のある情報をもとにご紹介します。

納豆の美肌成分:ナットウキナーゼで血流を促進

納豆に含まれる最も有名な成分の一つが「ナットウキナーゼ」です。 ナットウキナーゼは、血液をサラサラにする作用があり、血流を促進する効果があります[1][2]。 ナットウキナーゼが直接的にお肌に作用するわけではありませんが、間接的に血流を促すことでお肌の新陳代謝を高め、お肌の細胞の活性化をサポートしてくれます。 また、血流改善により、お肌に栄養や酸素を運ぶことで健康なお肌を保つのに役立つと考えられています。

納豆の美肌成分:ナットウキナーゼで血流を促進

納豆には1パック100g当たり0.28㎎のビタミンB2が含まれています。 ビタミンB2は別名リボフラビン(Riboflavin)とも呼ばれ、「発育のビタミン」といわれるほど体の発育に関りの深いビタミンです。 ビタミンB2は主に肉など動物性食品に多く含まれるビタミンですが、納豆にも含まれています。 大豆に含まれるビタミンB2の量は少ないですが、大豆からつくられる納豆は納豆菌の作用によりビタミンB2が生成されるためビタミンB2が豊富に含まれています[3]。 ビタミンB2の主な働きとして、
  • 糖質、たんぱく質、脂質の代謝によるエネルギー産生
  • 皮膚、髪、爪などをつくる
があります。 水溶性ビタミンでとりすぎても尿中に排泄されるので、とりすぎてしまう心配はあまりありません。 ビタミンB2は皮膚や粘膜の機能を正常に保つことに関係しており、美肌を作る手助けをしてくれます。 一方で、不足すると口内炎や舌炎など皮膚や粘膜の炎症を起こしてしまいます[4]

納豆の美肌成分:大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは女性ホルモンである「エストロゲン」(卵胞ホルモン)に似た作用を持ちホルモンバランスを整えることから、お肌への効果も期待されています。 大豆イソフラボンのお肌への働きとしては以下の4つがあります。

抗酸化作用

大豆イソフラボンには抗酸化作用があり、肌の細胞を酸化ストレスから守り、肌の老化を防ぐ効果があります。 また、紫外線による肌ダメージの修復を助けてくれます[5]

保湿効果

閉経後は女性ホルモンであるエストロゲンが少なくなってしまいます。 これにより、肌の乾燥や小じわの増加、傷が治りにくくなるなど、お肌に関わる作用が研究で示されています[6]. 大豆イソフラボンはエストロゲンのような作用をすることが知られており、お肌の保湿をサポートしてくれます。 皮膚に水分を保ち乾燥を防ぐことで、肌本来の健康を保つ働きがあることが示されています[7]

コラーゲン生成の促進

大豆イソフラボンに含まれる成分は、真皮線維芽細胞のコラーゲン生成を促進する働きがあります。 また、酸化ストレスにより誘導されるコラーゲン合成の低下を抑える働きも報告されています[8]。 ご存じの通り、コラーゲンは肌の弾力性やハリを保つために重要な成分です。 そのため、大豆イソフラボンの摂取により、コラーゲンの合成を促すことで若々しいお肌を維持することが期待できます。

メラニン抑制でトーンアップ

大豆イソフラボンは、メラニンの生成を抑制する効果があります。これにより、肌のトーンを明るくし、シミやそばかすの改善を促す効果があります[9]。 このように、大豆イソフラボンはお肌の健康をサポートし、美容効果を期待することができる成分として注目されています。

納豆の美肌成分:食物繊維

納豆は食物繊維が豊富な食材です。食物繊維は、腸内環境を整え、便通を促進する効果があるのは知られています。 腸内環境を良くすることで、お肌の健康をサポートする成分です。腸内環境が良好に保たれることで、お肌にも良い影響を与えます。 腸内環境が乱れると、体内の老廃物が排出されずに肌荒れやニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなりますが、納豆の食物繊維は腸内環境を整えることで、お肌の健康をサポートしてくれます。

納豆は1日何パックまで?1日の適切な摂取量とは

納豆の1日の適切な摂取量についてお伝えします。

大豆製品は1日100gが目標(納豆1日2パック)

厚生労働省が推進している21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)では、「大豆を含む豆類は、牛乳・乳製品などとともにカルシウムに富む食品として紹介されており、1日100g摂取することが目標」となっています。 納豆だと1パック50g前後のものが多いので、1日2パック程度が目安になります。

大豆イソフラボンの上限は70〜75mg/日(納豆1日2パック)

調べてみると、上記の「1日100g摂取」は上限ではなく摂取目標のようです。 目標なので「納豆1日2パック以上食べてもいいんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。 大豆製品の摂取上限はというと、特に記載が無いため、大豆イソフラボンの上限から考えてみたいと思います。 食品安全委員会では、大豆イソフラボンの量について以下のようになっています。 摂取量の目安:40mg~50mg/日 上限値:70〜75mg/日 特定保健用食品やサプリメントでの上乗せ上限値:30mg/日 ※大豆イソフラボンアグリコン換算値 納豆100g(2パック程度)当たり、大豆イソフラボン約73.5㎎を含んでいるので、やはり1日2パック程度を目安とするのが良いでしょう。 ちなみに、妊娠中の方や妊娠の可能性のある方、子どもについては、安全性が確認できていないことからサプリメントなどでの追加摂取は勧められていません。

まとめ:納豆は肌荒れやニキビに効果ある?毎日食べると美肌に

以上のように、納豆にはお肌に効果的な成分が多く含まれています。 ナットウキナーゼやビタミンB2などの血流改善や抗酸化作用を持つ成分や、イソフラボンや食物繊維などの女性ホルモンのバランスを整える成分が含まれており、お肌の健康を維持するのにおすすめです。
[1] Effective management of atherosclerosis progress and hyperlipidemia with nattokinase: A clinical study with 1,062 participants https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36072877/ [2] Nattokinase: A Promising Alternative in Prevention and Treatment of Cardiovascular Diseases https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1177271918785130?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed [3] 納豆及び納豆菌のビタミンB2量について https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1949/10/4/10_4_206/_pdf/-char/ja [4] ビタミンB2の働きと1日の摂取量 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b2.html [5] Skin aging and oxidative stress: Equol’s anti-aging effects via biochemical and molecular mechanisms https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27521253/ [6] Phytoestrogens (Resveratrol and Equol) for Estrogen-Deficient Skin-Controversies/Misinformation versus Anti-Aging In Vitro and Clinical Evidence via Nutraceutical-Cosmetics https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34681876/ [7] Treatment of skin ageing symptoms in perimenopausal females with estrogen compounds. A pilot study https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7877517/ [8] Sienkiewicz, P., Surazyński, A., Pałka, J., Miltyk, W.: Nutritional concentration of genistein protects human dermal fibroblasts from oxidative stress-induced collagen biosynthesis inhibition through IGF-I receptor-mediated signaling. Acta Pol.Pharm., 65: 203–211, 2008 [9] 大豆イソフラボンダイゼインの代謝産物である7,3′,4′-トリヒドロキシイソフラボンはメラノコルチン1受容体を標的とすることによりα-メラニン細胞刺激ホルモン誘導メラニン形成を抑制する【JST・京大機械翻訳】 https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202102281519756938
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