医学博士を目指す院生管理栄養士のそらです!
妊活にルイボスティーが良くおすすめされていますが、妊活に効果があるのかについて論文などを調べてみました。
論文などを調べた結論から言うと、「妊活でのルイボスティーの効果は実証はされていない」です。
絶対おすすめとは言えませんので苦手な方は無理して飲まなくてもいいですが、
カフェインゼロで、抗酸化作用のある成分も含んでいるため、妊活中に何を飲もうかと思ったときに、選択肢の一つになるのではないかと思います。
妊活でルイボスティーがおすすめされる理由
では、なぜ妊活でルイボスティーがおすすめされるのでしょうか?その理由を調べてみました。
ルイボスティーはカフェインがゼロ
カフェインの摂りすぎで赤ちゃんの出生時の体重が低くなる可能性があることが指摘されています。
また、最近の研究では、胎盤への血流を減少させたり、流産を起こしたりする可能性が指摘されているため、妊活中からノンカフェインのものを選ぶのが良いでしょう。
その点、ルイボスティーはノンカフェインでカフェインが含まれていません。そのため、妊活中にもおすすめされているようです。
ミネラルを含む(豊富かは疑問)
ルイボスティーには鉄、カルシウム、カリウム、銅、マンガン、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。
しかし、ルイボスティーにはミネラルが豊富に含まれるとよく聞きますが、他のお茶と比べて豊富かというと、そういうわけでもなさそうです・・・。
※100mLに 1gの割合で、熱湯を注ぎ蓋をして合計6分間浸漬し茶葉との接触を取り除き、冷却させた。(煮だしではない)
抗酸化作用があるポリフェノールが入っている
ルイボスティーには抗酸化作用があるポリフェノールが含まれています。
活性酸素は老化の進行に影響を与える酸化ストレスの原因となる物質です。活性酸素が過剰に発生してしまうと免疫力の低下やさまざまな病気の原因となってしまいます。活性酸素が増える要因には、紫外線やストレス、激しい運動、喫煙、加齢などがあります[2]。
研究でも、ルイボスティーを飲んだ場合、酸化ストレスが顕著に低下したという報告があり、ルイボスティーが活性酸素を除くのに効果的であることが分かっています[3]
抗酸化作用で卵子の質があがる
体には卵子を守るため活性酸素物質をとり除く酵素や抗酸化物質が備えられています。そのおかげで卵子の質は保たれ、受精や着床することができます。
しかし、活性酸素が多いと酸化ストレスにより卵子の質が低下し、受精障害を起こして受精しなくなったり[4]、血流の減少で排卵後にできる黄体から十分なホルモン分泌がなされず、妊娠の準備ができない状態となってしまいます[5]。
そのため、活性酸素を除去できる抗酸化作用の高い食べ物には卵子の質を上げる作用があるとされているのです。
このことから、抗酸化作用のあるポリフェノールをたっぷり含んだルイボスティーは妊活におすすめされているようです。
ただし、ルイボスティーを飲むことが「卵子の質を上げること」や「生殖機能の老化防止」につながるかというと、
そういった実験はされていないので効果は不明です。
ルイボスティーの効果が出る量は1日1.2L
研究より、抗酸化レベルが高い状態を維持するためには、1日にコップ6杯のルイボスティーを時間を空けて飲むとよいとされています[6]。
1杯200mlとすると、1日で1.2L程度飲むことで効果が期待できそうです。
ルイボスティーは飲んで1時間ほどで酸化レベルが下がるため、妊活で抗酸化の作用を期待するのであれば、1日6杯を目安にちょこちょこと飲むようすると効果的です。
ただし、ルイボスティーには便秘解消作用や利尿作用があるので体調や体質によっては飲みすぎでなかがゆるくなったり、トイレが近くなったりする可能性があります。
自分の身体に合わせて、量を調整しつつ飲んでください。
味が苦手な場合、煮出してから冷蔵庫で冷やすとクセが抑えられて美味しい!牛乳や豆乳をいれてミルクティーにするのもおすすめです♪
効果を最大にするルイボスティーの飲み方は10分沸騰
10分ほど沸騰させることでより抗酸化作用が高くなることが研究で分かっています。
研究では、5分の沸騰時間とくらべ10分沸騰させることで3倍も酸化を抑える働きが強くなったそう。
ちなみに、15分や20分沸騰させても10分と変わらなかったので、10分を目安に沸騰させることで、ルイボスティーの効果を最大限にできます。一方、水出しやお湯だしでは効果が薄れてしまいます[1]。
お湯出しでお湯を注ぐだけのティーバッグの場合、お湯が冷めるまで置いておくことで多少効果をアップさせることができます。
ルイボスティーは効果が感じられなかったという方は、ぜひこの作り方で飲んでみて下さい。
妊活中のルイボスティー、飲みすぎで副作用は?
妊活中の副作用に関しては、しいて言うなら妊娠中の便秘薬にも使われているマグネシウムが含まれることから便秘解消作用があり、お腹が緩くなりすぎてしまう可能性があります
また、他のお茶でも当てはまりますが利尿作用があるので体調や体質によっては飲みすぎでトイレが近くなったりする可能性があります。
しかし、妊娠後期に大量に取り続けると、胎児の血管が狭まったり閉じたりする「胎児動脈管早期収縮」を引き起こす可能性もあると最近の研究で分かっています[7]。
量は分かっていませんが、ルイボスティーでは1.5リットル/日程度でも症状が出てしまう可能性が指摘されています。
妊活中は良いですが、妊娠したら念のため避けた方が良いかもしれませんんね。副作用もなく安心して飲んでいただけるルイボスティーですが、自分の身体に合わせて、量を調整しつつ飲んでください。
まとめ:妊活にルイボスティーの効果は実証されていない
ルイボスティーは抗酸化作用やノンカフェインということで妊活におすすめされていますが、実際に効果があるかはまだ解明されていません。
絶対おすすめとは言えませんので苦手な方は無理して飲まなくてもいいと思います。
が、カフェインゼロで、抗酸化作用のある成分も含んでいるため、妊活中に何を飲もうかと思ったときに、選択肢の一つにはなるのではないかなと思います。
参考文献
[1]日本SDO研究会:環境汚染、食品汚染から身を守るルイボスティーのすべてhttp://www.sod-jpn.org/pdf/rooibos.pdf [2]厚生労働省:活性酸素について
[3]機能性食品センター:ルイボスまたはグリーンルイボスティー飲用による屋外 活動時の酸化ストレス軽減効
http://www.it-hiroshima.ac.jp/research/pdf/kinousei-shokuhin.pdf [4]Tamura H, Takasaki A, Miwa I, Taniguchi K, Maekawa R, Asada H, Taketani T,MatsuokaA,YamagataY,ShimamuraK,MoriokaH,IshikawaH,RusselJR, Sugino N. Oxidative stress impairs oocyte quality and melatonin protects oocytes from free radical damage and improves fertilization rate. J Pineal Res 2008; 44: 280―287 [5]Tamura H, Takasaki A, Taniguchi K, Matsuoka A, Shimamura K, Sugino N. Changesinbloodflowimpedanceofthehumancorpusluteumthroughout the lutealphaseandduringearlypregnancy.FertilSteril2008(inpress) [6]Villano,D.at,all.,:未発酵及び発酵ルイボスティーは健康な人間の血漿中の抗酸化能力を高める,Food Chemistry,123,679-683(2016)
http://www.sod-jpn.org/pdf/KhoisanTea-RooibosAnti-oxidant_jp.pdf [7]中国新聞:ポリフェノール、妊娠後期の取りすぎ注意 土谷総合病院の森田医師
https://www.chugoku-np.co.jp/living/article/article.php?comment_id=666434&comment_sub_id=0&category_id=1124