妊活中はココアがおすすめというのを聞いたことがあるかと思います。そこで今回は本当に妊活にココアはおすすめなのか、ココアの効果について科学的根拠を徹底的に調べてみました。
また、ココアにカフェインが含まれているのかや、ココアの効果的な飲み方についても詳しく説明していきたいと思います。
・妊活にココアは効果があるのか
・ココアの効果的な飲み方
・ココアのカフェイン量
が分かる!
結論から言うと
・妊活中にココアはおススメ? → おススメ
・ココアの効果は? → 体に必要な亜鉛を含み子宮環境を整える、体温を上げる、リラックス効果がある
・ココアの効果的な飲み方は? → ピュアココア(純ココア)1日に8g(小さじ4)/杯を1~3杯
・ココアのカフェイン量は? → 微量(カフェイン量でいくと480杯くらい飲んでも平気!)
となります!
それでは行ってみましょう!
妊活中に有効!ココアの3つの効果を解説します!
ココアの効果①:亜鉛により子宮の環境が整う
下垂体で作られる妊娠に必要なホルモン(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン)は妊活にも必要不可欠です。
しかし、亜鉛が不足することでこういった妊娠に必要なホルモンの放出がされにくくなったり、機能の低下が見られ、卵胞が発育が遅れたり無月経などの月経周期異常が起こると言われています[1][2][3]。
また妊娠中の亜鉛欠乏は先天異常などの奇形発生率が高いことが報告されています[4][5]。
そのため亜鉛は妊活に必要な栄養素といえます。そしてココアには亜鉛が含まれているので妊活にオススメできる飲み物です。
ただし、亜鉛をとればとるほどいいというわけではなく、亜鉛がしっかりと摂れていて不足していない場合はどれだけ追加で摂っても効果は変わりません。
また食事のみの摂取であれば心配いりませんが、サプリメントなどで亜鉛を取っている場合は、過剰症などの摂りすぎ注意してください。
ココアの効果②:血流が良くなる
ココアを飲むことで血流がよくなり、体温を上げてくれるという実験結果が出ています[6]。
60℃のピュアココアを飲んだ群では同じ温度のスープやお湯と比較した場合、体温が上昇しました。
また、37℃のピュアココアを飲んだ群では他の飲料と比較したところ、体温を維持してくれました[7]。
これは、ココアに含まれるフラバノールやテオブロミンなどの成分が血管を広げて血流を良くしてくれるため[8]。
特に手足などの末端の毛細血管を刺激して全身の血流を良くしてくれるので、手足の指先が冷えが辛いという冷え性の方にはお勧めです。
また、ココアは飲んだ後も体温を上げ続けてくれ、1時間以上にわたって長時間体を温めてくれます。
なので、冷え性が大敵な妊活中は体を温めてくれるココアはおススメです。
ココアの効果③:テオブロミンの効能でリラックスできる
テオブロミンはチョコレートの苦味成分で、食べることで神経伝達物質のセロトニンの生成を促しリラックスさせる効果があります。
また、ストレスを受けにくくしたり、改善する効果もあります[9][10]。
そのためココアは精神的に不安定だったり、ストレスが溜まりがちな妊活中にはおススメの飲み物です。
妊活中にココアを飲む場合の3つの注意点は?
ココアを飲む時の注意点ですが、ミルクココアなど砂糖が入っているものではなくピュアココア(純ココア)を飲むことです。
「ピュアココア(純ココア)」はカカオマスから脂肪分を搾り取った後に粉末状にしたもの。
「ミルクココア」はピュアココアに砂糖や乳成分などを加えたもの。
血流改善の実験でもピュアココアを使用しています。
これはピュアココアの方が効果のある成分をたくさん含んでいるためです。
そのため、砂糖の入ったココアではなくピュアココアを選ぶことでストレス解消冷や冷えの改善などの効果もしっかりと実感できると思います。
妊活中にピュアココアを飲む場合の注意点
ピュアココアは砂糖入りのものと違い、粉末が溶けにくいです。
とは言え作り方は簡単で、
1.鍋にココアと少量の水を入れ、ペースト状になるまで練る。
2.牛乳を加え、鍋を中火にかけてふつふつしてきたら完成!
アイスで飲む場合には、少し濃いめに作って、氷たっぷりのグラスに注ぎます。
牛乳を入れる前に少量の水でココアを練ると粉っぽくなく、なめらかでコク深い味わいになります。
砂糖や牛乳を入れても効果は変わりませんが、飲みすぎると糖やカロリーの摂りすぎにつながるので1日1~3杯程度にしておきましょう。
妊活中にココアを飲む場合は摂取量に注意!
効果のあるココアの量についてですが、体温を上げる実験では効果の出た量はピュアココア8gでした。
8gというと小さじ4杯です。そのため、1回8gを目安に飲むことで効果が実感できそう。
妊活中に冷たいココアを飲む場合の注意点
温かい飲み物の方が妊活にはいいとわかっていても、夏や暑い時期はやはり冷たいものが飲みたくなります。
そんな時に冷たいココアを飲んだら体温を上げる効果はどうなるのかというと・・・
冷たいものを飲むとふつうは体温が下がりますが、ココアを飲んだ群では体温を維持するという結果になりました。
体を温めるまではいきませんが他の冷たい飲み物を飲むよりはココアを飲んだ方が体温を高く維持することができそうです。
妊活中には気になるカフェイン!ココアのカフェイン量は?
妊活中となるとカフェインも気になってしまいますよね。
ココアにもカフェインは含まれていますが、その量は少しなのであまり気にすることはありません。
ココア一杯あたり(ピュアココアの粉末5g)のカフェイン量は10mgです[11]。
他の飲み物のコップ一杯(200ml)中では、コーヒーは120㎎、紅茶では60㎎、緑茶では40㎎なのでココアは飲み物の中でもカフェインが少ないと言えます[12]。
WHO(世界保健機構)では、妊娠中の女性はコーヒーを飲む場合1日4杯までと推奨されています。そのため、ココアのカフェイン量はあまり気にする必要はなさそうです。
まとめ:妊活にココアはおススメ!
妊活にココアはおススメかについて書いてきました!
・妊活中にココアはおススメ? → おススメ
・ココアの効果は? → 体に必要な亜鉛を含み子宮環境を整える、体温を上げる、リラックス効果がある
・ココアの効果的な飲み方は? → ピュアココア(純ココア)1日に8g/杯を1~3杯)
・ココアのカフェイン量は? → 微量(カフェイン量でいくと480杯くらい飲んでも平気!)
香りや味も美味しく妊活とも相性のいいココアぜひ取り入れてみてください。
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参考文献
[1] Henkin RI :Traee meta]s in endocrinology. ,tlbd Clin Nbrth Amer60,779-797(1976)
[2] MMar MJ, Elcoatc PY Fischer MI, Mawson CA:Efi’ect of testoslerone and gonadotrophin injections on the sex ergan development of zinc-deficient mtte rats, Can J Biochem Plp,sioi 38,457-1466 (1960)
[3] Apgar J: Effect ofzinc defieiency on maintenance ef pregr)ancy in the rat. J ,Viitr 1oe, 470-476 (1970)
[4] Jameson S (l976) EfTects of zinc detlciency in human repreduction. Acta Mbdica Scand aStcrlpO 593, 5-89
[5] Flyn A, Miller SI, Galden NL, Sokol RJ, VMano BD (98) Zinc status of pregnant alcoholic ornen, A determinant of feta1 outcome. Lancet 1, 572-S74
[6] Helmut, S., Tankred, S., Christian, H. and Malte, K., Cocoa polyphenols and inflammatory mediators, American Journal of Clinical nutrition,81,304s-312s (2005
[7] 有山 愛, 森 由佳, 稲野 美穂, 灘本 知憲:ココア摂取がヒト体表温に及ぼす影響,日本食品科学工学会誌56(12)2009
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/56/12/56_12_628/_pdf/-char/ja
[8] Hagen, S., Christian, H., Jan, B. Petra, K., Keen, C.L., Hollenberg, N.K., Sies, H., Kwik-Uribe, C., Schmitz, H.H. and Kelm, M., :Epicatechin mediates beneficial effects of flavanol-rich cocoa on vascular function in humans, Proceedings of the Nationsl Academy of Sciences of the United States of America, 103,1024-1029(2006)
[9] 伊藤恭子:カカオマスのリラックス効果,Food Style 21(63)81-83.2002
[10] 武田弘志:カカオ豆成分の抗ストレス効果:第2回チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム(1996)
http://www.chocolate-cocoa.com/lecture/q20/index.html#ancRefernce
[11] 文部科学省;日本食品標準成分表 2015年版
[12] 同上